2160 GNI(ジーエヌアイ)の大暴落が止まりません。
株価は10月6日にピークの4070円をつけて、10月26日現在の終値で1979円まで落ちてきました。
ここまで大きな下落となると、巻き込まれた方もかなり多いと思いますが、私も過去GNIではひどい目に合わされ者の一人です。
自分の教訓も含めて、今回の大暴落を考察してみましたので、ぜひご覧になってみてください。
※あくまでも私見ですので、投資はすべて自己責任でお願いします。
期待が高すぎた
GNI大暴落の最も大きな要因は、この期待が高すぎた事です。
GNIの株価は元々1500円辺りをうろうろしていたのですが、8月17日にF351の第2相臨床試験の完了と試験結果が良好だったむねのIRが出たことで跳ね上がります。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2160/tdnet/1876740/00.pdf
このIRはGNIホルダーにとってまさに待ちに待ったもので、多くの方が「やっとか」と思ったのではないでしょうか。
その後、株価はF351の市場規模や、グループ企業の増産に備えた土地取得など、様々な思惑を折り込みながら上昇していきます。
また、9月29日のIRで下記のような文言があったことも、一部で過剰な思惑を産んでしまい、過熱感を高めてしまいました。
第2相臨床試験の総括報告書(CSR)を完成させ、各臨床センターに捺印いただくため各センターに送付することを行います。 その後、当社は今後の手続きについてNMPAの医薬品審査評価センター(Center for Drug Evaluation、CDE)に相談する予定です。
(開示情報の経過)F351の第2相臨床試験の最終報告会について
2020年8月17日の開示において戦略的な方向性を9月末から10月上旬をめどにお示しできるよう努める、としたことについては、2020年10月16日に実施する予定としております。
※特にヤフーの掲示板などでは、3相を飛ばすかもしれないという買い煽りが横行していました。売買の判断する時は、ネットの情報に惑わされないよう注意しないといけません。
GNI自身も、F351に関する戦略的な方向性を2020年10月16日に示すと言っていたため、多くの方が期待に期待を重ねて、株価は一時4070円をつけます。
ですが、ここまで見てきてわかる通り、株価はすでに様々な思惑を折込んでいます。
10月16日に発表するであろうIRにはとんでもない期待が寄せられていた状態でしたので、それだけ発表が普通の内容だった場合は、強烈に売られてしまう可能性があったのです。
実際、16日のIRでは『第3相臨床試験の検討と、次の段階に進むのが概ね2021年第2四半期頃になるという見通し』が記載されていました。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2160/tdnet/1890833/00.pdf
これにより、もっと良いIRを期待していた方は失望売りをした可能性があります。
個人を巻き込んでしまえば売りは連鎖していきますので、今回の大暴落が引き起こされたのかもしれません。
一時的な材料の出尽くし?
上記でも少し書きましたが、GNIのF351が次の段階に進むのは、今の所2021年の第2四半期頃の見通しです。
それまで大きなIRはしばらく出ない可能性もあるため、一時的な材料出尽くしという事で、株が売られてしまった可能性があります。
しばらく大きな動きがないのならば、資金を拘束しておくのは機会損失につながりますし、大統領選を控えた今だと、将来株がどうなるか全くわからない状況です。
株を保有する事自体がリスクになってしまう場合もありますので、そういった思惑が絡み合って「売りたい」と思っていた人が多かったのではないかと予想されます。
個人の信用買いが多い
GNIを押し下げるもう一つの要因として、個人の信用買いが挙げられます。
信用買い多いという事は、それだけ株価が上がると思っている人が多いわけですが、当然将来の売りの圧力にもなります。
GNIの場合は、10月16日の時点で3,813,100株もの信用買い残がありました。
これは当時の時価総額から考えると8から9%くらい?(計算間違ってたらすいません汗)の売り圧力になるかと思いますが、ちょうど過熱感も高まっていたため、悪い意味でタイミング合ってしまったのかもしれません。
また、信用取引の場合はもう一つ問題があります。
株価が証拠金の維持率以下になってしまうと、追証が発生してしまいますので、それを避けるためにも、売らざるを得なかった人も多かったのかもしれません。
出来高の推移を見ると、2000円台後半から半ばくらいでもかなりの方が新規に参入している可能性があります。
そういった方も、さらなる下落で維持率が低下しているかもしれませんので、売りが売りを呼んでいる状態も推察できます。
機関投資家の空売り
GNIには、モルガン・スタンレーやJPモルガン証券を始めとした、様々な機関投資家が空売りを仕掛けています。
F351の第2臨床試験完了から、多くの機関はそれらの買い戻しを行っていたのですが、10月16日のIR以降、再びこの空売りを加速させた可能性があります。
データを見る感じだと、10月20日から空売りを仕掛けている所が少しありました。
ですが、空売りの報告義務未満でやっている所もあるでしょうから、その全貌は不明です。
発行済株式総数の0.2%以上の空売り残高がある場合には報告義務があります。取引所では、報告を受けたもののうち空売り残高割合が発行済株式総数の0.5%以上のものについて、ウェブサイト等で公表しております。
空売り規制の概要
機関の空売りは個人にとってはホントにキツイものですので、今後どういった動きを取ってくるのか、しばらく注視する必要があるかもしれません。
相場(マザーズ指数)が弱い
ずっと右肩上がりを続けてきたマザーズ指数ですが、ここへ来て、大幅な下落を続けています。
これが一時的な下落なのか、本格的なものなのかはわかりませんが、指数が悪化してしまうと、それに引きづられて個別株も売られてしまう場合があります。
特にGNIはマザーズ指数への寄与度が高い銘柄です。
GNIが下がるとマザーズ指数も下へ引っ張られますので、その影響が個別株に波及し、さらに指数を押し下げる可能性があります。
指数が押し下げられれば、当然またGNIにも下落圧力がかかって来ますので、再び株が売られる事になってしまい、負のループを回るのです。
こうなってしまうと、個別の株がどうであれ売りが増えてしまいますので、10月26日の株価のように、ひどい売られ方をしてしまう場合もあります。
まとめ
今回はGNIが大暴落してしまった理由を自分なりに考察してみました。
期待が高かったことや信用買いの多さ、マザーズ指数の下落など、様々要因が絡み合って今回の大暴落が続いていますが、ここまでの動きはほとんどの方が予想していなかったと思います。
可能性さえ頭に入れておけば、次回は食らわずにダメージを減らせると思いますので、大口にいいようにやられないためにも、しっかりと注意してきたいと思います。