ノーベル賞関連モダリスに学ぶイベント投資のタイミングとは?

ノーベル賞関連銘柄 投資手法

今年もまたノーベル賞が発表される季節となりました。

投資家の皆さんは、ただ発表を楽しむだけではなく、どこかに儲けのチャンスがないか、虎視眈々と狙っている時だと思います。

ですが、このようなイベント投資も買うタイミングが重要だったりします。

ただ飛びつくだけだと損をしてしまう事もありますので、今回はちょうどゲノム編集関連という事で急騰していたモダリス(4883)を例に挙げながら、イベント投資で儲けるための方法について考察してみました。

モダリスとは?

モダリスは東京大学発の創薬ベンチャーです。

ゲノム編集技術のCRISPRをベースに、独自の創薬プラットフォームシステムであるCRISPR-GNDMを構築することで、遺伝性の希少疾患に対する治療薬開発を行っています。

遺伝性遺伝子疾患の95%は今まで治療法がありませんでしたが、モダリスの技術により、これらの領域にアプローチできるのではないかと期待されています。

2020年8月3日にマザーズ市場へ上場したこちらの会社ですが、創薬ベンチャーでは珍しい黒字企業という事もあって、IPO相場を牽引する人気銘柄となりました。

モダリス

なぜモダリスは急騰したのか

モダリスは上場からすぐに人気銘柄となり、一時は4070円(8月25日)という高値をつけるほどの勢いがありました。

ですがその後は右肩下がりで下がり続け、出来高もどんどんなくなっていた状態だったのですが、2020年10月8日に突如大幅な上昇を見せます。

それがノーベル賞関連銘柄としての急騰です。

今年のノーベル化学賞は、ゲノム編集技術のCRISPR-Cas9を開発したドイツとアメリカの研究者でした。

モダリスはこのCRISPRを応用した技術を使っていることから、ゲノム編集の受賞を見て連想買いが入ったのではないかと思われます。

イベント投資の買いタイミングとは?

今回急騰したモダリスのように、イベント狙いの投資の場合、実は買うタイミングがとても重要になります。

業績の伸びによる株価上昇とは違って、イベントでの上げは一時的なものが多いため、材料が出たら出尽くしという事で、売られてれてしまう可能性が多々あります。

そのため、基本的にはイベント投資で上昇を狙うなら、なによりも事前の仕込みが重要になってきます。

ただし、それはあくまでも定期的にその会社がイベントで上がる。とわかっている場合にのみ有効な方法です。

ノーベル賞のように発表まで関連銘柄がわからない場合は、いくら予測で仕込んでもギャンブルにしかなりませんので、基本的にはあまりオススメはできない方法です。

事前仕込みが難しいイベントはどうすれば良いか

では、ノーベル賞のように事前の仕込みが難しい銘柄はどうすれば良いのでしょうか。

私個人としては、以下の2つの方法が有効なのではないかと考えています。

  • 発表直後にPTSで買う
  • 急騰から下落してきた所を買う

PTSで発表直後に買う

ノーベル賞のように事前に関連銘柄がわからない場合は、まさにわかった瞬間の早いもの勝ち状態となります。

場中であればAIが物凄い勢いで買い上げるので、初動に乗るのは難しいですが、それ以外の時間ではPTSしかありません。

いかに早く買うかがすべてとなりますので、事前に様々企業の知識を入れておいて、いつでも動ける体制を取っておくことが大切です。

実際私もノーベル化学賞がゲノム編集だとわかった瞬間に、PTSでモダリスを買おうと思いましたが、すでに先客がいました。

私個人の感覚としてはもう高いなと思って断念しましたが、その後ストップ高までPTSでは上がっていましたので、かなり注目が集まったのは確かです。

急騰から下落してきた所を買う

こちらはデイトレード的な話になりますが、株価が急落してくると、必ずどこかで反発が起こります。

空売りの利確や安いと思って買いに向かう人など様々ですが、この急落からの反発狙いも、十分有力な買いタイミングとなります。

こちらは急騰時のモダリス(4883)5分足チャートです。

モダリス(4883)チャート

①の位置が始値2897円で、一時2979円の高値をつけています。

そこから下落を続けますが、初心者の方は特に株が上がっていると飛びついてしまう事もありますので、注意が必要です。

その後、短期の反発狙いでデイトレーダーが参入して来たため、③の位置で一旦のリバウンドが起こっています。

ですがすぐに売られて長い上ヒゲとなっていますので、この辺がリバウンド狙いの難しいポイントでもあります。

うまいトレーダーはこの辺で即座に利益を確定して逃げていると思いますが、逃げ遅れた方は結構なダメージを負っている状態です。

その後、④の位置で下ヒゲをつけた陽線が出ましたので、ここは一旦リバウンドのタイミングと見て参入しても良いかもしれません。

上で買ってしまった方は反発が弱いのでもどかしい時間だと思いますが、⑤で再び大陰線をつけたことから、多くの方が損切りを余儀なくされている状態かと思います。

25日線ラインに近づいて株価は反発していきましたが、このように一時的に人気化した銘柄は、複雑な動きをするので注意が必要です。

初心者の方は特に②の周辺で飛びついてしまわないように、自分の思った以上に下に来る可能性を頭に入れておくと良いかもしれません。

イベントの連想上げは寄り付き天井になりやすい

今回のモダリスのように、イベントの連想買いで上昇した銘柄は、寄り付き天井で下落してしまう場合があります。

自社の業績が上がったり、なにか直接的にポジティブなニュースが出たわけではないので、一時的な盛り上がりが落ち着いてしまえば、仕方のない値動きかもしれません。

そのため、私の場合は初動で入れなかった時は、相当下落してくるまで入らないように心がけています。

上がっているからと言って無理して入ってしまうと、強烈な売りを浴びせられる事もありますので、よほど自身がある時以外は注意したほうが良いと思います。

まとめ

今回はノーベル賞関連銘柄で急騰したモダリス(4883)から、イベント投資の買いタイミングを考察してみました。

イベント投資の場合は、基本的には事前に仕込んでおくことが鉄則です。

ですがノーベル賞のように予測が難しい場合は適しませんので、PTSなどで初動に乗るか、下落してきた所をリバウンドで狙うかが一つの鍵になると思います。

投資に正解がありませんし、自己責任のため孤独な戦いかと思いますが、ぜひ自分なりに分析してトレードを向上させてみてください。

※当サイトで提供する情報は投資勧誘することを目的としておりません。投資の最終決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
投資手法

投資歴17年の専業投資家。元々は事業をしながら趣味で株式投資をしていたが、現在はスイング、デイトレード中心に活動中。バイオ株、新興企業(マザーズ、JASDAQ)、値がさ株の取引がメイン。

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