株の暴落は大損失を引き起こす可能性があるため、投資家の方にとっては大変怖いものだと思います。
本来このような下落は起きてほしくない事だと思いますが、世の中にはこの「暴落」に乗ることで、大きな儲けを出している人たちがいるのです。
ただ巻き込まれるだけではいつまでたっても勝てる投資家にはなれませんので、今回は暴落時に儲けるためにはどうすれば良いのかまとめました。
株の暴落とは?
ではまず、株の暴落とはどのような状況なのでしょうか。
基本的に株は上下動を繰り返すものですので、「上がっていた株が少し下がったが、またすぐに戻ってきた」という場合は暴落とは言いません。
暴落時の状況というのは、みんなが我先に株を売却しようとしますので、売りが売りを呼んでしまい、とんでもないパニックが引き起こされるのです。
このパニックによって株が売られに売られる状況を、一般的には「暴落」と呼んでいます。
株の暴落を引き起こす要因とは?
株の暴落を引き起こす要因には、以下のようなものがあります。
- 大口投資家の売却
- 企業の悪材料や悪いニュース
- 経済や相場環境の悪化
- AIによるアルゴリズム取引
などなど。
中でも特に最近多いのがAIのアルゴリズム取引による急落です。
AIは人間と違って感情に左右されませんので、「この場面は株が下がる」と判断すれば、株の高い安いは関係ありませんので、トコトコ売りを浴びせて株価を切り崩しにかかります。
これらはフラッシュ・クラッシュと呼ばれて、コンピューターによって瞬間的に大きな下落が引き起こされます。
有名な所で言えば、2010年5月6日に起きたダウ平均株価の急落もそうです。わずか数分の間にNYダウが1000ドル(9%)も下落しました。
株の暴落で儲けるためにはどうればいい?
株の暴落時に儲けるためには、主に空売りで下げを狙うか、下がった所をリバウンドで狙うか、下げ局面で動くETFを買うかの3つのパターンが考えられます。
私の場合は空売りが得意ではありませんので、基本的には下落した所のリバウンド狙いと、下げ局面で動くETFを狙うことで暴落をチャンスに変えています。
どれを使うかは好みの問題もあると思いますので、次の項目から一つ一つ詳しく解説していこうと思います。
暴落を空売りで儲ける場合
暴落を空売りで儲けるためには、まずは信用取引を使える事が前提です。
信用取引を使えるようにしよう
空売りは信用取引でしか行えませんので、信用取引口座の開設がまだの方は、まずはお使いの証券会社に連絡して、所定の手続きを行ってください。
投資初心者や未成年の場合は難しいですが、ある程度株取引の経験があるなら、すぐに信用取引口座が開設されるはずです。
下げの兆候を掴もう
暴落はある時に急に引き起こされる場合もありますが、事前に下げの兆候が出ている場合もあります。
これらの兆候がつかめれば空売りで大儲けができるのですが、それがなかなかできないからこそ相場の世界は難しくもあります。
特に多くの方が「これから暴落が起きるぞ!」と思っている時ほど、暴落は起こりません。
みんなが空売りを仕掛ければ仕掛けるほどそれが上昇圧力となってしまいますので、逆に株価を押し上げてしまうなんて事もあるのです。
そのような状況に陥らないためには、まずは相場観を養い、大衆と同じ心理状態に陥らない事が大切です。
空売りが成功しやすいタイミングとは?
これは結構見極めるのが難しいのですが、一般的に上がりすぎの状況は、空売りが成功しやすいと言えます。
実態よりもかなり高く評価されている株はバブル状態になっていますので、次第にみんなが冷静さを取り戻せば、株価は次第に是正されていきます。
ただ、その是正が起こるまでは株価は上がりますし、みんなが上目線でどんどん買いを入れてくるので、タイミングを図るのは難しかったりします。
また、それ以外にも経済状況や相場の環境が著しく変わった時も、うまく飛び乗ることができれば空売りは成功しやすいと言えます。
下がった所をリバウンドで儲ける場合
先程も解説しましたが、暴落はみんながパニックに陥り、売りが売りを呼んでいる状況です。
我先に逃げたい心理から、株価は相当安い値段まで売り込まれる可能性がありますので、うまくリバウンドを狙えれば、チャンスを掴む事ができます。
ただし、リバウンド狙いは危険な部分もありますので合わせて解説していきます。
落ちるナイフは拾うな
これは株格言の一つですが、暴落している株は、落ちてくるナイフのように、拾おうとすると思わぬ大怪我を負う可能性があるという注意喚起の言葉です。
本来株が売られて安くなれば、値ごろ感から買いが入りやすくなったりするのですが、暴落時はなんと言ってもみんながパニックに陥っている状態です。
どこまで株が売られて来るかは誰にもわかりませんので、中途半端にリバウンド狙いで入ってしまうと、とんでもない大損害を負う可能性もありますので注意しないといけません。
リバウンド狙いが成功しやすいタイミングとは?
これも正解がないので難しいですが、一つ言えることは、暴落時は無理に買い向かうような事はしないほうが良いです。
暴落は小規模な下落と違ってどこまで下がってくるかわかりませんので、まずは一旦落ち着いて、相場の状況をよく観察する必要があります。
またこのような場面は他の株も同じように暴落に巻き込まれていますので、相場全体の雰囲気を感じならが、リバウンドのタイミングを見極める必要があります。
暴落時にETFを買って儲ける場合
株の暴落時には、ETFを買って儲ける方法もあります。
ETFとは?
ETFは日本語で上場投資信託と呼ばれ、市場で取引することができる投資信託のようなものです。
ETFとは、証券取引所に上場し、株価指数などに代表される指標への連動を目指す投資信託で、
「Exchange Traded Funds」の頭文字をとりETFと呼ばれています。
ETFの仕組み – 投資信託協会
指数や債券、コモディティなどと連動するように設計されていますので、そのETFを買うだけでも、特定の分野に簡単に分散投資することが可能となっています。
このETFの中には、相場の下落や暴落時に上昇していくものがあります。
株価の下落時に上がるETFとは?
株価の下落時に上がるETFには以下のような物があります。
これらは普通の株と同じように売買が可能ですので、わざわざ信用取引を使わなくても、株価の下落局面で利益を出すことができます。
インバース(ベア)型ETF
インバースは英語で逆という意味なのですが、その名の通り連動元の指標が下落すると、価格が上がるように設計されているETFです。
日経平均連動型ETFの場合
レバレッジ型ETFの場合は、連動元の指標が上がると価格があがる。
例 日経平均が上昇 ETFの価格も上昇
インバース型ETFの場合は、連動元の指標が下がると価格が上がる
例 日経平均が下落 ETFの価格も上昇
株価の下落局面でも価格が上がっていきますので、暴落時にうまく動きに乗れれば、チャンスを活かすことが可能となります。
インバース型のETFには以下のような物があります。
証券コード | 銘柄名 |
---|---|
1356 | TOPIXベア2倍上場投信 |
1357 | NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 |
1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 |
1366 | ダイワ上場投信-日経平均ダブルインバース・インデックス |
1368 | ダイワ上場投信-TOPIXダブルインバース(-2倍)指数 |
1456 | ダイワ上場投信-日経平均インバース・インデックス |
1457 | ダイワ上場投信-TOPIXインバース(-1倍)指数 |
1459 | 楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型 |
1465 | ダイワ上場投信-JPX日経400 インバース・インデックス |
1466 | ダイワ上場投信-JPX日経400 ダブルインバース・インデックス |
1468 | JPX日経400ベア上場投信(インバース) |
1469 | JPX日経400ベア2倍上場投信(ダブルインバース) |
1471 | NEXT FUNDS JPX日経400インバース・インデックス連動型上場投信 |
1472 | NEXT FUNDS JPX日経400ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 |
1569 | TOPIXベア上場投信 |
1571 | NEXT FUNDS日経平均インバース・インデックス連動型上場投信 |
1573 | 中国H株ベア上場投信 |
1580 | 日経平均ベア上場投信 |
ボラティリティ型ETF・ETN
ETNも指数やコモディティなどど連動する商品で、ETF同様市場で取引することができます。
これらの商品は市場参加者の感情を反映するため恐怖指数などども言われていますが、暴落時に急騰する傾向があるため、うまく動きに乗ることが出来れば下げ局面でチャンスを掴むことができます。
ボラティリティ型のETF・ETNには以下のような物があります。
証券コード | 銘柄名 |
---|---|
1552 | 国際のETF VIX短期先物指数 |
2035 | NEXT NOTES 日経平均VI先物指数 ETN |
ETFを買う際の注意点
ETFは重要な選択肢の一つなのですが、実は以下のように注意しなければならないポイントがあります。
- ETFの中には長期保有していると価値が下がるものがある
- ボラティリティ型ETFは急騰するが急落も早い
これらの詳しい説明は割愛しますが、普通の株と同じような感覚でいると失敗してしまうこともありますので、しっかりと銘柄ごとの特徴を掴む必要があります。
まとめ
今回は株の暴落時に儲ける方法として、空売りをする、リバウンドを狙う、ETF・ETNを買うという3つの方法を紹介してみました。
暴落で儲けを出すためにはそれなりのセンスと経験が必要になってきますが、これらの方法を知っておけばチャンスは広がるはずです。
株価も大きく動く時だと思いますので、ぜひ今回の記事を参考にして、暴落をチャンスに変えて見てください。